(記事内容は、2020年10月現在の情報に基づきます)
新型コロナの影響で2020年に急速に広まった様々なオンライン化。
オンライン飲み会、オンライン会議、オンライン授業など、の広がりと共に、結婚相談所業界に関係するものでも、【→ オンラインお見合い ←】【オンラインデート】【→ オンライン結婚式 ←】など、オンライン化が広がっていています。
このような中、「婚姻届」や「離婚届」といった行政手続きにおける【脱はんこ】が強力に検討されていて、離婚すらも、賛否両論がありますが【オンライン離婚】が始まるのではないか、と言われています。 この【脱はんこ】と【オンライン離婚】について少しお話したいと思います。
国が進める、行政手続きの
<効率化・デジタル化・脱はんこ>
2020年9月に発足した菅内閣は、河野太郎規制改革担当相の主導で、行政手続きにおける9割以上の「脱はんこ」を目指して進めている中、10月9日には上川法務大臣が、婚姻届や離婚届の押印について廃止する方向で検討していることと手続きのオンライン化も進めていくという考えを明らかにしました。
現在の戸籍法は昭和22年に施行されたものなのですが、婚姻届および離婚届について「署名し印をおさなければならない(戸籍法29条)」と定め、夫と妻、更に証人2人の署名と押印が必要とされています。
しかし、そもそも、婚姻届と離婚届は実印である必要はなく、認印で構わないとされている為、押印を無くすことでのデメリットは、それほど大きくはないのではないかと思われます。
『日本の特殊なハンコ文化』について
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婚姻届・離婚届のオンライン化
実は、婚姻届や離婚届を含めた戸籍関係のオンラインでの届け出は、既に2004年4月から制度上は可能となっているのですが、主に押印欄が障壁となり、現時点で導入している市区町村はないそうです。
つまり、「脱はんこ」で押印欄が無くなれば、「オンライン化」も進めやすくなるということです。
オンライン化による心配な点
「婚姻届」「離婚届」が、【脱はんこ・オンライン化】された場合、心配される点は主に二点。
一つ目は、なりすましなど不正行為が増えるのではないか、という点。
これには逆に、脱はんことオンライン化が進んだ方がむしろ不正行為のリスクは減る、という意見が強くあります。
オンライン化を進める為には、本人確認の手段として、押印に代わり電子証明書を提出することが検討されているとのことで、現在よりも本人確認は厳格化され、手続きが効率化できるだけでなく、不正な届け出についても排除できて、リスクは減るという。
ただし、これはマイナンバーカードを利用する案であることから、その普及率が全国で20%に満たない(2020年9月実績)現時点では、すぐに開始することは不可能なようだ。
そして二つ目は、衝動的な離婚や安易な離婚が増えるのではないか、という不安。
「離婚届」は「婚姻届」以上に慎重にしなければならないものですし、本来、相当期間冷静に検討したうえで結論を出さなければならないものです。
夫婦喧嘩を全くしない夫婦はほとんどないと思われますが、激しい夫婦喧嘩のその直後に、興奮状態でスマホから簡単に「離婚届」を発信・提出できるのでは、離婚率が急増するのは目に見えています。
実際に、離婚大国と言われるデンマークの事例では、2012年度に46%だった離婚率が、2013年7月にオンライン離婚が可能となると、2014年度には54%に膨れ上がったそうです。
そこでデンマークの場合は、対策として、2019年4月に以下の新たな義務を新設。
18才以下の子がいる場合には、(1)離婚成立まで3ヵ月の冷却期間を置くこと、(2)17項目のオンライン講座を受講すること。 この結果、2019年度の離婚率は35%にまで下がったとのことです。
つまり、日本も【オンライン離婚】を開始する場合は、「衝動的な離婚・安易な離婚」を増やさない為の何かしらの対策を考え、これと共にスタートする必要があります。
また、デジタル化先進国と言われるエストニアですら、婚姻届や離婚届に関してはオンライン手続きから除外しているにも関わらず、日本の目指す方向性はズレている、と指摘する声もあります。
オンライン離婚 は、すぐには始まらない
このように、まだまだ様々な問題を解決せずにはスタートできない「オンライン離婚」ですので、すぐに始まるものではありません(2020年10月現在)が、流れ的には、近い将来そうなる可能性が高いことは確かであると思われます。
ともかく、「行政手続きの効率化」とはいえ、中でも人生に多大な影響を及ぼす「婚姻届」や「離婚届」のオンライン化については、特に慎重さが求められる為、効率性よりも、とにかく【確実性と安全性】を最大限重視して、十分に検討の上開始して欲しいものです。
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結婚相談所イトサーチKIKUCHI